フェテアスカ・レガーラ種
フェテアスカ・レガーラ
Feteasca Regala
フェテアスカ・レガーラ種はルーマニアNo.1の栽培面積で、冷涼な産地から温暖な産地まで栽培され、多様性に優れた葡萄品種です。ルーマニア国内で最も消費されている品種で、圧倒的な人気を見せます。ルーマニアのワイン文化を理解するためにはこの葡萄は欠かせません。
原産
原産はルーマニアのトランシルヴァニア地方です。2000年代までは、フェテアスカ・アルバ種とグラサ・デ・コトナリ種の交配によって生まれた品種とされてきましたが、最近のDNA鑑定によりフェテアスカ・アルバ種とフランクーシャ種の交配品種であることが明確になりました。
歴史
トランシルヴァニア地方で数千年間前から栽培されている説もありますが、具体的な証拠はありません。
1880年代に初めて様々な著作に登場するようになります。
1903年に、ドイツ人の A. Kraft 氏が約1000本のフェテアスカ・レガーラの葡萄木をトランシルヴァニア地方ダネシュ村のボアルタシュ (Boartăș) 川の川岸に植えました。このダネシュ村のフェテアスカ・レガーラ種の畑が初めて登録された畑のため [ダナシャーナ種] とう別名で呼ばれることがあります。
その後メディアシュ市 (Mediaș) のワイン博覧会に出場し、トランシルヴァニア地方の土着品種として注目を浴びるようになりました。1912年に初めて専門文献に出場しました。
ドイツ系の葡萄栽培家 Friedrich Caspari 氏がこの葡萄品種のポテンシャルを感じ、トランシルヴァニア地方全体に広め始め、Caspari 氏の葡萄品種カタログ1917年版に出場します。
1925年にブカレストのワイン博覧会にフェテアスカ・レガーラで作られたワインが初めて紹介されました。
同じく、1925年にブカレスト農学研究所内に、I.C. Teodorescu 氏よりルーマニア初のアンペログラフィー (葡萄品種学) を設立しました。その中で、フェテアスカ・レガーラ種も出場します。その後、1957年に出版されたルーマニアアンペログラフィーにも取り上げられています。
同義語 (シノニム)
VIVC (ヴィティス種国際カタログ) によると、34の種類のシノニムがあります。
ルーマニア国内の最もポピュラーなシノニム:ダナシャーナ (Dănășană)、ガルベナ・デ・アルデアル (Galbenă de Ardeal)。
ハンガリー語のシノニム:Danosi, Danosi Leanyka, Kiraly Leanyka 等。
ドイツ語のシノニム:Danesdoerfer Königsast, Königliche Maedchentraube 等。
ウクライナ語のシノニム:Fetyasca korolevskaia 等。
栽培面積
ルーマニア国内で栽培されている合計面積は 12,088.14 ヘクタール (2023年3月のデータ)で、合計面積の6.78%に及びます。ルーマニアNo.1の栽培面積で、冷涼な産地から温暖な産地まで幅広く栽培されています。
ルーマニア以外で、モルドバ共和国 (270ヘクタール)、ウクライナ、ハンガリー、チェコ、スロバキア、オーストリアとドイツで栽培されています。
ワインの特徴
皮に含まれているタンニンの量が比較的に多く、葡萄の果肉にもポリフェノールが含まれているため、とてもユニークな特徴を持ちます。長期保存に適したワインを生み出す力も十分にあります。
フェテアスカ・レガーラで造られたワインの多くは辛口又は中辛口で、しっかりした骨格を持ち、アルコール度数と酸味のバランスが取れています。酸味がやや高く、優れたスパークリングワインも多く造られています。
香りはとてもフローラルで、アカシアの花、白い薔薇やドライアプリコットのニュアンスを持ちます。味わいはグレープフルーツとホワイトペッパーを感じさせます。白葡萄の中で最も万能で、幅広い料理と素晴らしい相性を見せてくれます。
不正確な情報に注意
フェテアスカ・レガーラ種はモルドバ共和国の土着品種として紹介されることがありますが、不正確な情報です。原産はルーマニアのトランシルヴァニア地方で、VIVC (ヴィティス種国際カタログ) でルーマニアの葡萄品種として正式的に登録されています (登録番号 4121)。
出所
- Tiberiu Onuțu
- ONVPV
- Julius Kühn-Institut
- Caspari Mediaș
フェテアスカ・レガーラ
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